7月13日午前11時頃、リルケは息を引き取りました。
子猫の引っ越し、連休、(ワクチンなどの)通院、
と、忙しくしており、ご報告が遅くなりました。
ブログの更新が途絶えて、ご心配おかけして申し訳ありませんでした。
以下、リルケの経過です。
7月3日、リルケの診察をしていただきました。
鎮静剤を注射して、のどの奥を診ていただいたところ、
「腫瘍は、少なくとも小さくはなっていない」とのことだったので、
7月10日に手術を予約しました。
7月5日頃から、まったく食事をしなくなり、
(ササミもシーバもちゅーるもスープ類も)、
7月7日頃から、自宅の酸素室に入れても呼吸が荒くなり、
7月8日に、入院させました。
(うちの酸素室より病院の酸素室のほうが酸素が濃いかな、と)
7月10日は、手術に立ち会うはずだったのですが、
麻酔をかけたら、不整脈がひどくて、このまま麻酔をかけ続けるのは
危険だという判断になりました。
4月15日の帝王切開、6月4日の避妊手術の時は、
まったく不整脈はなかったそうです。
心臓が弱っている可能性もありますが、
自律神経のほうがおかしくなっている可能性もあり、
それが腫瘍のせいである可能性はあるかもしれないし、
ないかもしれない、わからない、ということでした。
腫瘍のあたりに神経はあまりないはずですが、
ちょっと上に行くと、神経がたくさんある場所だし、
さらに上に行くと脳で、どこまで腫瘍が広がっているか、
不整脈と腫瘍の関係は、まったくわからない、と。
院長先生がすぐに大学病院の先生に電話していろいろ聞いてくださいましたが、
猫の不整脈自体がとても珍しいことなので、
腫瘍のせいかもしれないし、たまたまかもしれず、
もう一度麻酔をかけたら不整脈が起きないかもしれないし、
起きるかもしれない、ということでした。
その時点での選択肢は3つ。
家に連れて帰って衰弱死を待つか
安楽死か
途中で心臓が止まることを覚悟で再度手術をするか。
手術が無事にできたところで、術創が腫れて、それで気道をふさぐ可能性もあり、
腫瘍が脳のほうまでいっている可能性もあることを考えると、
わずかな期間でも元気になる、という可能性はとても低そうです。
私としては衰弱死は一番辛いです。
なでればゴロゴロいうとか、子猫が近くにいると嬉しそうとか、
リルケ自身が家が好きそうなら、もちろん家に連れて帰りますが、
触られるのもいやそうで、してあげられることがなく、
他の子たちの世話などもあるので、常に付き添っていられるわけでもないし。
安楽死か術中死か、ですが、どちらも麻酔で眠るように死ぬ点では同じで
苦痛がないことを考えると、再手術のほうが、ほんのわずかでも希望があるのと
やれるだけのことはやった、と、私の後悔が少なそうです。
もし、手術中に死なず、術後の傷が腫れて呼吸困難になるなど
苦痛が著しければ、その時点で安楽死を選べばいいし、
もし、それを乗り越えてくれたら、0.01%くらいじゃないかと思いますが、
数日〜数週間くらい、自力でごはんを食べられる時が来るかもしれません。
再手術の方向で検討したいと申し出て、リルケは病院に置いて帰りました。
病院でできることはなんでもしてくれ、と言ったら、
11日夜から、鼻から胃にカテーテルを通して、リキッド状の栄養食を入れたとのこと。
とりあえずは、嘔吐がないかの確認ということでしたが、それは大丈夫だったので、
少し体力をつけてから手術、という新しい選択肢もあるよ、と言われました。
一度面会して、手術の時期を検討すれば?、とのご提案をいただき、
12日のお昼に病院に行きました。
そうしたら、鼻と口から出血し、今までに見たことのない
苦しそうな開口呼吸をしていました。
出血は、おそらく腫瘍が自壊したのだろうとのこと、
開口呼吸の程度は、水からあげられた魚がパクパクしているような感じ、といえばいいでしょうか。
体力がつく前に窒息死しそうで、見ていられなかったので、
経鼻カテーテルは抜いていただくことと
その日の夜の手術をお願いしました。
手術の前、30分か1時間か、リルケに付き添っていましたが、
カテーテルを抜いても呼吸の荒さは変わらず、
手術しても、あまりよい結果にはならなそうな予感はしていました。
私が院長先生の立場だったら、「この飼い主、安楽死を選んでくれないかな」と
思っただろうな〜、と思います。
麻酔をかける前に不整脈が出ていたのですが、
なぜか、麻酔をかけたらピタッと不整脈が止まり、
手術中の心電図は安定していました。
ただ、腫瘍はとても大きくなっていました。
のどの奥、鼻のほうまで広がっていました。
メスを入れる前に、腫瘍の部分を触らせてもらいましたが、
小指がやっと入るくらいしかスペースがないところで
メスを使ったり縫ったりしなければならないという、
それはそれは大変な手術でした。
腫瘍は、できる限り焼いていただきましたが、
そのせいで、皮膚(粘膜)が足りなくなり、縫えなかった部分があります。
手術が終わった時点では、電気メスで焼いて出血していませんでしたが、
その部分が手術後どうなるかがわかりません。
出血するか、どれくらい腫れるか。
麻酔を切ると、暴れる可能性があるので、
12日は、麻酔をかけっぱなし、気管チューブを入れっぱなしにしました。
3時間近い手術中、舌をずっとひっぱっていて、
舌がむくんで腫れている状態ということもあり、
気管チューブを抜くと呼吸がしにくいかもしれないとのこと。
翌日、麻酔を切った後、呼吸ができるのか、出血するのか、
などはまったくわからず、手術が終わったことを
喜べるわけではないよ、と言われました。
翌日、病院は休診日で、院長先生はご自宅でお休みのはずでしたが、
当直の先生と院長先生は、何度もやりとりをしてくださったようですし、
当直の先生も、院長先生(ご自宅から)も、何度か電話をくださいました。
血圧が上がらず、注射で血圧をあげてもすぐに戻ってしまう、
麻酔を切っても覚めてこないので、どうなるかわからないとは言われました。
(一晩麻酔をしているので、通常より覚めるのが遅いはずではあるとはいえ)
午後なら麻酔から覚めているかもしれないとのことで、
15時頃に面会に行く約束をし、
いつ病院から連絡があっても、すぐに駆け付けられるよう、
とりあえず、7月の平日はお休みとブログで告知した直後、
院長先生から電話がありました。
「さきほど、突然ポンと心臓が止まったので、僕も急いで病院に行く」とのこと
私も病院にとんでいきました。
(当直の先生と電話でやりとりをしている最中に、
心電図のモニターの音でわかったような雰囲気でした)
当直の先生と院長先生が心臓マッサージなどしてくれていましたが、
もう、リルケの頑張りも限界を超えていたようです。
「(生命力を)使い切った感じだったね」と、院長先生もおっしゃっていました。
リルケが最後まで頑張ってくれたのはもちろんですが、
執刀してくれた院長先生、他の先生方、看護師さん方全員、
昼間の診察でもお疲れのところ、23時近くまで頑張ってくださいました。
(片付けが終わって、当直の先生以外がお帰りになったのは24時前後だったのではないでしょうか)
見ているだけの私でも疲れたのですから、
ずっと集中していた先生方の疲労を思うと、申し訳なくて……。
でも、安楽死や衰弱死を選んだら、後悔が大きかったと思うので、
私は、手術を選んでよかったと思っています。
顔が血や膿でドロドロになってしまったので、
帰宅してすぐにシャンプーしました。
シャンプーで暴れないリルケは初めてで、
どんなにゴシゴシ洗っても、シャワーをザブザブかけても
高温・強風のドライヤーをあてても、文句を言わないのが不思議でした。
シャンプー後のリルケは、眠っているようにきれいな顔で、
毛もサラサラになり、なでているうちに、むくっと起き上がりそうでした。
この暑さなので、その日のうちに火葬にしようかとも思いましたが、
あまりにも触り心地がよくて、顔も安らかで、
離れがたく、1日火葬を延期しました。
これまで、亡くなった子をシャンプーしたことはありませんでしたが、
みんな、洗ってきれいにして見送ってあげればよかった。
人間だって死化粧をしますものね。
ふと、小林麻央さんのブログを思い出しました。
いつ頃だったか、麻央さんが治療に背を向けた時、お母さまが叫んだという記事。
「死ぬ順番を間違えないで。私が死んだら、麻央に口紅を塗ってもらうのよ」と。
リルケも死ぬ順番を間違えないでほしかったです。
リルケと一緒に生まれた、月姫ちゃん、ガルマちゃん、ちぃたんちゃん、吉宗くん、ミエルくんは、レオやイネスより先に死んではだめですよ。
レオやイネスの年齢より若く死んでもだめですよ。
リルケの子供たち、綴ちゃん、パールくん、フレイくん、ビゼーちゃん、けむりちゃん、ミルクくん、ルカちゃん、琥珀彦くん、シャックくん、朱夏くん、ミカエルくん、咲葵ちゃん、藤十郎くん、シグルくん、アレクサンデルくん、京くん、杏ちゃん、イリナちゃん、エルヴァちゃん、浅黄くん、奈々ちゃん、ソフィーちゃん、沙羅ちゃん、セサミ、七音ちゃん、オレオ、ビスコ、リッツには、リルケの分も、おいしいものたくさん食べて、楽しく長生きしてもらいたいです。
(↑仮名なんだっけ、と、一生懸命思い出したら、
全員、ちゃんと名前出てきました。
確認したら順番は少し間違えてたけど)
もし、「猫 扁平上皮癌」で検索して、このブログにたどりついた方がいらしたら、
2017年現在、分子標的薬「パラディア」は、副作用少なく、
がん細胞の増殖をおさえてくれる可能性があるので、是非、試してみてください。
(他のがんにも効く可能性が多いにあると思います)
残念ながら、うちのリルケには効きませんでしたが、効く子もきっと多いと思います。
パラディアについて調べたことは、
↓以下の記事にまとめてあります。
http://rien.seesaa.net/article/451229167.html人間も動物も、がんの研究がもっと進むことを願っています。
最後に、リルケを応援し、回復を祈ってくださった皆様、
本当に有難うございました。