心那ちゃん(3歳)が、FIPの可能性が非常に高いと診察された、とご連絡がありました。
症状を伺い、私も、FIP以外の病気の可能性は考えられないと思いました。
年末年始に、心那ちゃんを2週間ほどお預かりさせていただきました。
その時、ジョンくんやカンナちゃんと一緒に過ごしています。
そして、春〜初夏に、ジョンくん、カンナちゃん、ボージーくんが
FIPで亡くなっています。
FIPは、コロナウィルスが猫の体内でFIPウィルスに突然変異して発症する、
と言われています。
コロナウィルスは、腸内で増殖し、糞便経由で容易に感染します。
コロナウィルス自体は、10年以上前からずっとうちの子たちも持っています。
FIPウィルスは、腸内には存在せず、
血液、腹水などの体液内に存在するため、糞便経由では感染せず、
したがって、FIPウィルス自体は、感染しない、というのが
現段階の通説・有力説だと思いますが、
ここまで、FIPが連続して発症すると、
変異したFIPウィルスが感染しないとはいえないんじゃないか、という気がしてきます。
(涙、唾液、鼻水などを介して感染するのかどうか、というところは、
いまのところ、文献を発見できていません。
英語で検索したら何か出てくるかもしれませんが)
もしくは、FIPに変異しやすいコロナウィルスの株、というものが
存在するのではないか、という気もします。
(型と株が数種類あることはわかっています)
そこで、今年は子猫のワクチンが終わっても、
カフェデビューさせるのをやめてみよう、と思った矢先、
3歳の心那ちゃんのFIPのお知らせでした。
年末年始のお預かりと、今回の発症の関係はわかりませんが、
「関係ない」ということを証明する手段が現時点ではありません。
そうすると、カフェにて、里帰りやお預かりした子は、成猫であっても
FIP発症する可能性を否定できない、ということです。
予防も治療もできず、致死率99%以上の病気ですから、
回避できるリスクは回避すべきだと思います。
お盆〜シルバーウィークにかけて、お預かりを予定していた子の
オーナーさん方にはご連絡させていただきましたが、
今後は、日帰りの里帰りも、見送っていただいたほうがよいと思いますし、
お泊りは、ペットホテルやシッターさんを探してください。
現在、FIP発症している猫はおりませんが、
本猫は発症していないがFIPウィルスを保持しているキャリア猫、という
存在も否定することはできません。
(現時点では、検査する手段がないと思います)
1〜2時間の里帰りで感染する病気ではないと思いますが、
万一の場合には、なすすべなく悲しい結果になってしまいますので……。
RIEN出身猫たちが里帰りしてくれることは、私にとっても何よりの
楽しみでしたし、オーナーさん方も、私を喜ばせようと思って
連れてきてくださっていること、とても嬉しく思っていました。
それができなくなることは、本当に、本当に、残念なことですが、
命には代えられません。
FIPの治療や予防が確立されれば、里帰りやお泊りも復活させます。
2〜3年、まったくFIPの発症がなくなったら、検討の余地があるかもしれません。
できれば、私が猫カフェを続けている間に、里帰りやお泊りを
復活できるとよいのですが……。
最後になりましたが、心那ちゃんがFIPではないこと、
FIPだとして、寛解してくれることを、
心からお祈りしております。
2019年07月28日
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