2023年03月10日

猫風邪覚書

先週の木曜日に七福神きょうだいがワクチン打ち、
発熱等の副作用らしきものはなく数日過ぎたので、
安心していたところ、今週頭から、子猫たちが続々と
結膜炎または鼻炎になってしまいました。

先生は、ワクチンの影響かな、とおっしゃっていました。
ワクチンで一時的に免疫力が低くなったところで
ウィルス感染してしまったのかな、と。
(副作用、というわけではないと思う)
今回は、離乳の頃から、インターキャット入り生理食塩水を
毎日点眼して、感染症予防に努めてきたのですが……。

最初にアンナちゃんが開口呼吸になり、鼻づまりだな、と
思ったものの、肺炎や気管支炎だと怖いので病院へ。
熱もなく肺や気管支ではなく、鼻づまりとのことで、
病院で吸入をして、抗生剤と抗ウィルス剤を処方され帰宅。

そしたら、毘沙門天とマタイが開口呼吸になっていたので、
もらった薬をこの2にゃんにも投与し、
翌日、5頭分くらいの薬をもらってきた。
(調子悪い子がいたらかたっぱしから飲ませようと)
アンナとマタイは、2日で治癒。

その後、布袋尊、大黒天、恵比寿天が結膜炎に。
こちらも、抗生剤&抗ウィルス剤を内服させつつ、
抗生剤、抗ウィルス剤、消炎剤の点眼。

さらに、福禄寿が鼻づまりになり、
毘沙門天が全然よくならないので、
この2にゃんを連れて病院へ。
病院で吸入し、インターキャットとブレンダの注射。
ネブライザーを持っているので、吸入薬を処方してもらった。
毘沙門天がようやく復活してきた感じです。

ブレンダは、犬の膵炎で認可をとった新しい消炎剤ですが、
猫にもよく効き、膵炎だけでなく、腸炎や肺炎にも効果があり、
鼻炎、結膜炎にも試しているところだそうです。
桜姫が腸炎で嘔吐や下痢をしたときにもよく使いますが、
とてもよく効きます。
割高ですが、ステロイドでない消炎剤では、
とても優秀な薬だと思いました。

弁財天、寿老人もくしゃみを始めて、微妙な開口呼吸になったので、
抗生剤と抗ウィルス剤を内服させたところ、
翌日にはくしゃみと開口呼吸が収まりました。
抗ウィルス剤は、インフルでもそうですが、
できるだけ初期に投与するのが効果的なんですね。

以前(2015年頃?)も猫風邪で悩んだことがあり、いろいろ調べて、
海外では、抗ヘルペス薬の内服「ファムビル(ファムシクロビル)」、
点眼薬「IDU(イドクスウリジン)」というものがあり、効果が高いらしい、と
知ることができたのですが、どうしても手に入りませんでした。
(ファムシクロビルは、眼科専門医等で使っているところもありましたが、
私のかかりつけ病院にはなくて、お願いするとしたら、
1ロット買い取るようなかたちになり、高額な薬だったこともあって
諦めました)

今は、ファムシクロビルのジェネリックもあって安く入手でき、
那須の病院も常備しているし、
国産のイドクスウリジンもあると知り、
とても驚きました。
以前は、ウィルス性の猫風邪に使える薬はほぼなかったからです。
インターキャットがあるにはあっても、抗ウィルス薬ではなく、
免疫賦活剤なので、効いていた気があんまりしませんでした。
抗生剤の内服と抗生剤の点眼・点鼻くらいしか方法がないので、
東京にいたころは、猫が風邪をひいても、
猫は連れて行かずに薬だけもらうようになっていました。

一時期、目や鼻の粘膜でPCRを頻繁にした時期がありますが、
だいたい、ヘルペス、カリシ、クラミジアの混合感染で、
ヘルペス、カリシにはインターキャットが効くかも?くらいで、
クラミジアは抗生剤が効くので、
猫風邪には抗生剤とインターキャットくらいしか
薬がなかったのです。
(クラミジアによる結膜炎を予防したいので、
うちでは5種ワクチンを使っています。
おとなになると大丈夫みたいですが、子猫のうちは
クラミジアの結膜炎がけっこう厄介だと思っています)

今回は、肺炎だったら困ると思って病院へ連れて行きましたが、
「猫風邪ですね。ファムビル出しておきます」とさらっと言われて
「えええ?ファムビルあるんですか!?」と
叫んでしまいました。
昨年、IDUを処方されたときも同じ反応してしまったかも。
抗ヘルペス薬が点眼と内服で手に入るのは本当にありがたいです。

肺炎で子猫を死なせてしまったこともありますが、
肺炎にブレンダが効くというのも心強いです。
(肺炎になることを避けたいですが!)
過去、肺炎で亡くなった子も、ファムビルがあれば助かっていたかも?

2015年からだとすでに8年。
それだけたつと、入手できる薬も増えてくるのですね。
その頃は、FIPも不治の病だったのが、
2019年頃からMUTIANが出てきて、
現在はモルヌピラビルという選択肢もあり。

医学の進歩もありがたいし、認可の問題などを経て
国産品やジェネリックが手に入るようになるのも有難いです。


ちなみに、今は、結膜炎の子に、1日6回IDUを点眼し、
その合間に、消炎剤ジクロフェナク、抗生剤ロメワンを4回ずつ点眼し、
鼻炎の子には、パピテインの点鼻数回、吸入治療をし、
鼻炎だと食欲がなくなるので強制給餌をし、
1日2回内服薬を飲ませ、体重も1日2回はかっています。
症状のない子にも、1日2回以上インターキャット入り生理食塩巣を
点眼&点鼻しています。
夜も、鼻が詰まっている子がいるな、と思ったら起きて点鼻します。

パピテインという点眼薬は、古くからある角膜炎の薬ですが、
タンパク質を溶かしてくれるとのことで、
鼻づまりに有効だそうです。
特に、吸入をする前に点鼻するとよいそうです。
詰まった状態で吸入しても、たしかに効果低いですもんね。
角膜炎の薬としても知らなかったし、鼻づまりに効く薬があるなんて!
以前は、鼻が詰まったら鼻腔洗浄と抗生剤の点鼻しかなかったのですが、
鼻詰まりがなかなか解消しなくて、子猫がかわいそうでした。

鼻詰まりで開口呼吸になってしまった子猫でも、
パピテインの点鼻で開口呼吸が治まるので、すごいと思いました。
家でもパピテインを点鼻して数分してから、
インターキャット点鼻をしたり、吸入したりしています。

今回は、恐れていた猫風邪蔓延が起きてしまって
とても悔しく、子猫がかわいそうではあるのですが、
猫風邪に対する武器の存在を知ることができたのはよかったです。
抗ウィルス剤を常備しておいて、
今後は、子猫がくしゃみを始めた段階で投与しようかと。
くしゃみ3回、ファムシクロビル!的な。

posted by RIEN at 10:59| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気・健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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