2023年04月25日

さらにFIP疑惑の子猫が……

1月生まれのあられくん。
とても元気で食欲もあるのですが、
食べている割に体重が伸び悩んでいることが気になり、
数日前に病院に連れて行きました。

熱なし。腹水なし。
微妙に腸骨間のリンパが腫れているとのことで、
総蛋白、アルブミン、グロブリンの血液検査しました。
AG比0.7(0.5以下だとFIPの可能性が高くなる)。
貧血はなさそうとのことで、そこは血液検査せず。

ステロイドを飲ませて様子を見ることになり、
5日ほどステロイドを飲んで再検査。
熱なし、走り回ってごはんもよく食べ、
体重も少しは増えている。
けれど、採取できないほどわずかな腹水と
腸骨間のリンパの腫れあり。
AG比は変わらず0.7。

この子だけだったら、先生はFIPと診断しなかったと思います。
今回は、モルヌピラビルを飲ませ、
それで腹水とリンパの腫れがなくなるようならば
FIPと考えたほうがよいのでは、とのことでした。

腹水が採取できればPCR検査をするのが確実ですが、
エコーで何度見ても、採取はできなそう、とのこと。
血液のPCR,コロナウィルスの抗体価、AGPなど
他の検査も先生と検討しましたが、全部やったとしても、
結局は、FIPを否定も肯定もできないのではなかろうか、という
結論になりました。
(確定診断できるとしたら、腸のリンパの組織の病理検査)

私の店で、獣医師によるFIPセミナーを開催したときも、
TICAのブリーダー向けFIP講座に参加したときも、
講師の先生は、「元気なFIP猫はいない」とおっしゃっていました。
私もそう思うし、今のかかりつけの先生もそう思っていらっしゃいます。
発熱、貧血があり、なんとなく元気がない、食欲がない、という
臨床症状があり、貧血、黄疸、高グロブリン血症(AG比が低い)、
などの検査結果があって、FIPの可能性が高くなるものです。

検査機関のサイトやカタログにも、FIPを強く疑う臨床所見がある場合に
検査が役立つ旨記載されています。

とはいえ、生後3か月の子猫の腸のリンパが腫れるというのは異常です。
この月齢でリンパ腫は考えにくいし、
IBDなら下痢をするでしょう。
その他の疾患は、私も先生も検討がつきません。

治療をしなければ、そのうち元気や食欲がなくなり、
貧血や黄疸が出てくる可能性が高いと思われます。
現時点で悪さをしているのがFIPウィルスなのか、
変異する前の腸コロナウィルスなのかもわかりませんが、
モルヌピラビルが効くなら、FIPウィルスもしくは腸コロナウィルスが
悪さをしていることは確実になるのでしょう。

ここまで臨床症状がない状態で投薬を開始して、
モルヌピラビルが効いたとして、
やはり84日間続ける必要があるのかしら?と思いますが、
たぶん、前例もないでしょうからデータもないことでしょう。
経過を見て、いったん投薬中止して
再発するかどうかを見てもよいのかもしれません。
悩むところです。

今回は、さすがに落ち込みました。
でも、GS441524とモルヌピラビルで治療を続けて
全員寛解させるしかないので、頑張ります。

ちなみに今回使うモルヌピラビルは、
先生が個人輸入したものを、小さいカプセルにつめなおしてくれた
インド製のジェネリックですが、
1.5キロの子用の処方で11日分2200円でした。
1か月6600円? 体重が3キロになったとしても1か月12000円?
3か月分で3万円ちょっと?
早期に発見すれば、薬代が3万5万で済み、
それで寛解するならば、FIPが怖くない時代になるのかもしれません。
posted by RIEN at 13:37| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | こねこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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