2025年2月に父猫・母猫たちの心エコーをしました。
異常ありの子については、
その子のカテゴリで詳細を記載しています。
(全員、2023年秋の心エコーでは異常なしでした)
七之助、勘九郎、ポモ、ウッシー、アサヒ、マチルダ、野菊は
心筋厚4o以下、心臓の動きもきれいで問題なし、とのことでした。
ただし、おととしくらいから、お譲りした猫の心筋症のご報告が
とても増えております。
少し前に、オーナーさん全員に、心臓の検査のお願いの一斉メールを
送らせていただきましたが、エラーも多数出ておりますので、
こちらのブログでも改めてお知らせ致します。
まず、最近ご報告いただいた心筋症の子とその両親です。
最近譲渡した子猫だと、ほとんどがこれらの子の血縁かと思います。
@魔鈴&勘三郎の娘 クランベリーちゃん
A魔鈴&七之助の息子 NOAHくん
B魔鈴&七之助の息子 里音くん
C魔鈴&七之助の息子 ミックくん
Dポモ&七之助の娘 ゆずちゃん(肺水腫で死亡)
Eポモ&七之助の息子 ろくくん(肺水腫で入院)
F小町&勘三郎の息子 むぎくん (肺水腫で入院)
Gダナエ&勘三郎の娘 杏ちゃん
Hダナエ&勘三郎の息子 テオ君 (拘束型心筋症で死亡)
Iはるか(勘三郎の娘)&ヒュドラの娘 伏姫
J富姫&権五郎の娘 パンダ
以前も、肺動脈弁狭窄症、房室中隔欠損といった心疾患は
2〜3年に1頭程度の割合で生まれていましたが、
これらは、ワクチン時の聴診にて心雑音が聴取されて発覚し、
私が子猫を譲渡する際に、心疾患があることをお伝えしていました。
しかし、心筋症は、心雑音がないことが多く、
ワクチン時の聴診、避妊・去勢手術時の心電図等では
発覚しないことが多いです。
そのため、突然肺水腫を起こして入院し、
その時に肥大型心筋症に気付くこともあります。
ゆずちゃん、ろくくん、むぎくんの場合がそうでした。
心筋症を早期に発見するには、
心エコーもしくは、BNPやトロポニンIといった血液検査をします。
心エコーで拡張期の心筋厚が5o以下なら正常、
6o以上だと心筋症と診断されることが多いです。
私のかかりつけの医師は、心筋厚が6oを超えた場合は、
BNPの検査をして、正常値を超えていれば投薬開始、と
考えているそうです。
逆に、健康診断でBNPを検査し、正常値を超えていれば
心エコーで心筋厚、内腔の広さ、逆流の有無などをチェックする、
という先生もいらっしゃると思います。
定期的な健康診断としては、エコーまたは血液検査の
どちらかでよいと思います。
血液検査は、BNPのほうが幅広くスクリーニングする
(正常なものも拾ってしまう)
とのことで、健康診断としてはBNPのほうがよいのでは、とのことです。
このあたりは、それぞれの先生のご判断に委ねてよいと思います。
心筋症は、薬がよく効くと思います。
里音くんは、アーチストという薬を飲み始めてから、
血液検査結果も心筋厚も正常になったとのことでした。
我が家のパンダ(11歳)の場合、体重が突然1キロ減少し、
健康診断でのBNPが高かったため、心筋症と診断されました。
エコーで診ようとしても、肺の影になってしまって
心筋厚が図れなかったのですが、
血液検査でBNP以外悪いところがなかったため
心臓のポンプの役割が弱り、栄養が身体にいきわたらなくなったため
やせてしまったのだろ、と仮定して、テノーミンという薬の内服を始めました。
約1か月で体重が元にもどり、エコーで心臓を診ることができるようになり、
心筋厚5.8oということがわかりました。
今もテノーミンで安定しています。
まだ心筋症と診断されたことがない子については、
先に、アニコム等のペット保険に入ることもお勧めです。
心疾患が判明すると、定期的な検査をすることになりますし
一生投薬を続ける可能性が高いです……。
皆さまにメールをお送りした後、
@ダナエ&七之助の息子のゴロウくんが肥大型心筋症で投薬開始、
Aポモ&七之助の息子のきゃっぱくんがトロポニンIとBNPともに正常値を超えていた、
とご連絡をいただきました。
また、里音くんオーナーさんから、
一過性心筋症(TMT)についての論文をお知らせいただきました。
http://blog.livedoor.jp/ebm_vet-journal_club/archives/35420872.html
http://blog.livedoor.jp/ebm_vet-journal_club/archives/35427442.html
http://blog.livedoor.jp/ebm_vet-journal_club/archives/35419730.html
実際、まふぃんちゃんという子が肺水腫を起こして入院し
その後も心臓専門医に通院していたところ、
治ったので投薬も通院もしなくてよい、と言われたそうです。
たしか7〜8歳で発症し、治癒し、15歳くらいまで長生きしました。
まふぃんちゃんの同居のふぉしょんちゃんという子も、
一度肥大型心筋症と診断され、しばらく投薬を続けていましたが、
治ってしまい、今は投薬をしていないそうです。
現在、肥大型心筋症と診断され、投薬をしている子たちも、
もしかしたら、一過性心筋症かもしれません。
投薬しているうちに、心筋厚が5o以下くらいになったら、
一度、投薬中止をしてみることもご検討ください。
私も、現在グレーゾーンの子たちが、一過性心筋症だったらいいなあ、と
思っているところです。
今年は、検査で問題なかった子で交配し、
昨年とは違う組み合わせで交配しようと思っています。
そのうえで、新しい猫をいれる努力をします。
イタリアから女の子2頭お迎えすることは決まりました。
うちに必要なのは男の子なので、なんとか、今年中に2頭くらい
探せればよいなあ、と思っています。
2025年03月04日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック