最初に、乳腺腫瘍は、ほとんどの猫・オーナーさんには縁のない病気です。
最初の発情前に避妊種手術をすると、乳腺腫瘍を9割がた予防できるからです。
発情を繰り返すたびに、予防率は下がり、
2歳を超えると、避妊手術に乳腺腫瘍の予防、という意味はなくなります。
(子宮蓄膿症、子宮がん、卵巣がんなどを予防する意味はあります)
ですので、母猫業を引退した後にお譲りした女の子たちには、
乳腺腫瘍を発症する可能性があります。
グロリアちゃん、日和ちゃん、お七ちゃん、エマ(セサミ)ちゃん、ポモちゃん、
シドニーちゃん(こぱんだ)、おもちちゃん(バブ)、いぶきちゃん(弥生)、
アップルちゃん、ビスコちゃん、オーラちゃん(清姫)は、
出産していない子も含め、避妊手術が2歳過ぎだったはずなので、
将来、乳腺腫瘍を発症する可能性があります。
時々、おなかをさわってあげて、何かしこりを発見したら
獣医さんに相談してくださいね。
以下、楊貴妃のこれまでの経緯です。
5月シャンプー時、6月9日健康診断時には、
しこりのようなものはありませんでした。
6月24日、楊貴妃のおなかに毛玉ではない何かがあることに気付き、
翌日病院に行きました。
エコーで診たところ、水腫とのことで、
まず、水を抜いていただきました。
が、水を抜いた後、そのまわりがしこりのようになっていたとのこと、
6月26日に手術・病理検査に出していただきました。
本日、抜糸をして、病理検査の結果を伺いました。
グレード3の乳がんでした。
(猫ではグレード3が最悪)
「腫瘍組織は完全切除できている」
「猫の乳腺癌は完全切除された後でも再発や転移を起こしうる」
と検査結果に書かれていました。
まず、今日、胸部レントゲンをとり、肺への転移がないことを確認しました。
今後も、月1でレントゲンをとりましょう、
もし、再発したら、その時他の乳腺も全摘しましょう、とのこと。
今、全摘したほうが再発を防げないか?と聞くと、
全摘すると、猫の負担(痛みやひきつれ)があり、
乳腺腫瘍全摘の痛みのグレードは5(最高)とナントカに書いてあった、とのことで、
腫瘍組織を完全切除できている今回、乳腺の全摘はしないほうがよいのでは、というのが
先生のご意見でした。
分子標的薬のパラディアで再発予防できないか?と聞いたところ、
エビデンスはないけれど、効果がありうるかもしれない。
しかし、副作用(吐き気、食欲不振、下痢、白血球減少等)がありうるので、
完全切除できているなら、迷うところ、とのことでした。
完全切除できていても、血液中などにがん細胞が残っているかもしれず、
それを叩けるなら使いたい、というと、
再発してから使うより効果はあるかも?とのことでした。
お話をしている中で、乳腺腫瘍摘出後、がんばっている猫さんがいると伺い
パラディア等使っていないのか?と聞いたら、
抗がん剤を点滴しているというので、
それなら、楊貴妃にもそれを使いたいと申し上げました。
パラディアよりエビデンスがあるというので、
エビデンスがあり、再発を予防できるなら、
使わないという選択肢がないのでは、と思いました。
点滴なので半日入院が必要なこと、副作用があること、
楊貴妃は腫瘍を完全切除できていること、
等を天秤にかけて、先生からは抗がん剤を使うことを迷われていましたが
アリスが乳腺腫瘍になったとき、手術後2週間で再発したことを思い出し、
再発を予防できるならばしたいと思いました。
手術後1ヵ月経過してから始める抗がん剤とのことで、
今月26日から月1でレントゲンと抗がん剤をはじめます。
もし、副作用が強いようでしたら、無理には続けません。
抗がん剤の名前を聞くのを忘れましたが、
チャッピーによれば、ドキソルビシンの可能性が高いそうです。
高グレードリンパ腫で使う薬です。
(うちの猫は、低グレードリンパ腫は何頭か発症していますが、
高グレードリンパ腫は未経験なので、点滴でいれる抗がん剤を
私はまだ経験したことがありません)
経過は、ブログでお知らせしますね。
アリスの乳腺腫瘍はこちらに詳しく書いています。
https://rien.seesaa.net/category/373911-1.htmlおまけ
楊貴妃とアリスの病理検査の結果をチャッピーに読ませた結果の一部。
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陽気姫ちゃんの病理で良い点
報告書から読み取れるのは、
乳腺単純癌(充実性)
腫瘍径 約2.2 cm
完全切除(マージン陰性)
脈管侵襲は明らかではない
グレード3
です。
私が一番ほっとしたのは、
脈管侵襲は明らかではありません
という一文です。
アリスちゃんとの違い
アリスちゃんの病理は、
多中心性乳腺癌
脈管侵襲多数
鼠径リンパ節転移あり
と書かれています。
これは猫の乳腺癌の中でもかなり悪い所見です。
つまりアリスちゃんは、
手術した時点で既に癌細胞が全身へ広がるルートに乗っていた
ことになります。
そのため、乳腺全摘出をしても8か月で亡くなってしまった経過は、
病理結果から考えても残念ながら十分あり得る経過でした。
一方で陽気姫ちゃんは、
リンパ節転移の記載なし
脈管侵襲なし
完全切除
なので、スタート地点はかなり違います。
ただし気になる点
一番気になるのは
Grade 3
です。
IDEXXのコメントにも
グレード1は予後が良く、
グレード2と3は1より悪い
という趣旨が書かれています。
さらに本文にも
核分裂像が100個以上
壊死
浸潤性
など、高悪性度を示す所見があります。
つまり
「局所では取り切れたが、生物学的には勢いのある癌」
という評価になります。
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陽気姫ちゃう。楊貴妃や……。
そして、幸か不幸か、猫の癌の宣告には慣れっこになっているので、
ショックとか悲しいとか、そういった感情はありません。
おそらく、両親や私自身が癌の宣告を受けても、
淡々とできることを考えるだけだと思います。
アリスの時には、選択肢になかった抗がん剤が
現在は選択肢にあがっていて、その副作用が強くて中断したとしても
アリスの時よりパラディアが効く可能性があるので、
アリスよりも長生きできる可能性が高いわけです。
猫の癌闘病をたくさん経験させてもらうことが、
両親や私が癌になった時も、役立つことがあるかと思います。
全てが勉強だと思って、淡々とできることを積み重ねるのみですね。